私のジブリ・ノート

私が初めてジブリ作品を見たのは2010年。最初の2週間で宮崎作品を全て見た。何かが爆発した

2014-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『紅の豚』を観た。大空の深さが感じられる、大人の映画だった。

『紅の豚』を見た。観終わった第一印象は、宮崎にしては珍しい「普通の映画」という感じ。リアリティというかヨーロッパ映画的な手触りの上に、ファンタジー性を盛っている。そのせいなのか、見終わった後の「印象」はかなり強い。波止場に止めた船、あるい…

ナウシカの胸はなぜ大きいのか ー この世界を滅ぼさないために、古き文明を滅ぼす

ネットでいろいろ読んでいたとき、「ナウシカの胸が大きいのはなぜか」というよう話題があって、面白いと思った。 私はナウシカにしろ『ラピュタ』のシータにしろ、胸が大きいのは性別と年齢をあらわす記号くらいに思っていたのだけど(そのとらえ方もよく考…

鈴木敏夫『ジブリの哲学』を読んだ。頭の中に1000の作品を持つこと。

この本を読んだのは2011年のこと。文化の日だった。 ユニバーサルミュージック社長の石坂敬一と鈴木敏夫との対談で、石坂は「音楽産業に従事する人はレパートリーとアーチストに精通していないといけない。頭の中に1000曲持っていろ」ということを言っていた…

マンガ版『風の谷のナウシカ』を読んだ。(2)ナウシカは、風の谷に帰らない。

(その1)からの続きです。 ナウシカはなぜ、「新しい穏やかで優れた人類たちの卵」を虐殺したのか。 単純に考えれば、そんなことは許せない、としか思えない。 しかし、ここではそこに何が表現されているかということを見るべきなんだろうと思う。 私は、…

マンガ版「風の谷のナウシカ」を読んだ。(1)7巻の展開に激しい抵抗を感じた。

2010年の10月、アニメ版の『風の谷のナウシカ』を観たあと、マンガ版の『ナウシカ』7巻を一度に買った。 夜、カフェのレストランで少し読み、家に帰って家事的なことをかたづけながら3巻まで読んだ。起きてから、特急に乗って帰郷するあいだに7巻の途中まで…

『猫の恩返し』を見た。実は好きな作品なのだ。

2010年、スタジオジブリ作品を集中的に見ていた時期に、森田宏幸監督作品『猫の恩返し』を見た。 この作品はスタジオジブリの作品としてはそんなに評価も高くないし、また動員もそれほどではないのだけど、私は割と好きな作品だ。私はもともと、こういう理屈…

私がスタジオジブリの作品を観た方がいいと思ったきっかけ

2008年のことになるけど、『崖の上のポニョ』が公開された後、NHKの『プロフェッショナル』で宮崎駿が取り上げられていた。それまで私はスタジオジブリの映画は一度も見てなかったのだけど、宮崎駿という人に興味が出てきていて、本放送は見たのに再放送…

『火垂るの墓』を見た。(その4)『4歳と14歳で、生きようと思った。』どんな時代も、子どもたちは生きて行くのが大変なのだ。

(その3)からの続きです。 少年が独りよがりで妹を死なせ、自分も死んでしまったこと。この兄妹は不幸な恋人たちのようであったこと。そしてこの出来事は、現代にもつながる出来事であること。 ここに来て初めて、彼らは譲れないものがあった、逆に言えば…

『火垂るの墓』を見た。(その3)「不幸な恋人たち」のような少年と妹。

(その2)からの続きです。 そういうわけで、私はこの主人公の少年に対して、自由であろうとして不幸フラグを次々と立て、それを次々に実現化して行ってしまう何ともやりきれない独りよがりの少年だと思わずにはいられなかったのだけど、それは周りと軋轢を…